
望月さん、こんにちは。
マンションを購入しようと思うんですが、どんな選び方がいいのかわからなくなってしまって。。。
分かりやすくここを見たほうがいいよ!
みたいなのありますか?

こんにちは。
そうですね・・・
マンション購入を検討する際、「立地」「築年数」「間取り」など、気になる要素はたくさんあると思います。ですが、不動産のプロとして数多くの取引を見てきた中で、将来的に価値が落ちにくく、満足度の高いマンションには明確な“選び方”があります。今回は、資産価値・住み心地の両面で失敗しない「プロが選ぶマンション購入術5選」をご紹介します。

よろしくお願いいたします
1. 資産価値が維持されやすい!人口増加地域の駅近くに立地
資産価値を気にされる方なら、間違いなく意識すべきは「立地」です。不動産は“1に立地、2に立地、3・4がなくて5に立地”と言われるほど、立地が価値に与える影響は絶大です。
今後の日本では不動産の”三極化”が進むと言われています

資産性を意識するなら、「価値が維持されるエリア」での購入が必須です。その目安は人口動態と駅距離です。
人口動態と地価推移の関係


この図は名古屋市の区別の人口推移と地価推移を重ねた図になります。
名古屋市緑区は宅地開発が進んで人口がたくさん増えている区になります。
そして緑区の各地点の地価公示を見ると人口推移と同様のグラフの描き方をしているのが分かるかと思います。

2022年ごろを機にクイっと上昇しているのは、人件費高騰によって急激に不動産価格が上がったことが要因でしょう。
対して南区は1970年ごろをピークにずっと右肩下がりで人口が減っています。
緑区同様2022年ごろの急激な伸び以外は南区の各地点では人口推移と同様に地価が下がっているのが分かると思います。
菊住エリアに関しては高台にありハザードに強い、新瑞橋に近く交通利便性が高い、イオン、ドンキと商業施設多数と上がる要因しかないので上がっています。
もちろん学区単位で分けると南区全体では人口が減っている中、菊住は人口が増加している地域ですので、人口動態と地価推移はやはり強い相関関係にあると言えます。

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駅近の定義は徒歩10分じゃもう遠い?!
マンションを探されている方で駅から徒歩10分圏内で探されている方は結構多いです。
特に普段駅を使われない方は予算を下げるときに駅距離を妥協して10分程度まで広げる方は結構多いです。
ですが駅距離は資産価値に直結しますのでむやみに妥協してはいけません。
多くの自治体が進めている”コンパクトシティ政策”の観点からも、駅近(徒歩7分圏内)が重要です。名古屋市の立地適正化計画では、鉄道駅から600m(徒歩約8分)圏を「都市機能誘導区域」に設定しています。つまり、徒歩10分圏はもう“遠い”と見なされてしまうのです。

2.築年数ではなく“建てられた年代”が重要!
「築浅がいい」「築20年だと、20年後は築40年で売れなくなるのでは?」 こうした声をよく耳にします。しかし、不動産価値は築年数よりも“いつ建てられたか=時代背景と仕様”が大きく影響します。
まず大前提として、不動産価値の8割以上は「立地」で決まります。立地さえ良ければ築年数が古くても売れます(=流動性がある)。
さらに価格を維持するには
躯体の安全性、メンテナンス性、トレンド性
これらが重要になり、この3つは築年数というより建てられた年代に因るところが大きいと言えます。

以下2つの年代が特におすすめです。
① 2000年前半築のマンション
- ペット可の管理規約が一気に普及
- 広い専有面積(80㎡以上)の物件が多く、ゆとりある生活空間が魅力
- バブル崩壊による地価下落と建築費の割安さから好立地の物件が多い
- バリアフリー設計や宅配ボックスなど、現代の生活スタイルとそん色なし
- 築年数から価格にこなれ感がある
- 大規模修繕を1度ないしは2度行っており、管理状況が精度高く把握できる
- 給排水管は樹脂管を採用し、高耐久かつさや管ヘッダー方式の普及によりメンテナンス性能向上
② 2009〜2013年築のマンション
- 東日本大震災以降の耐震意識の高まり → 免震・制震構造の増加
- 円高による建築コスト抑制 → 販売価格が割安だった時期
- デザイン・仕様が現在と大きく変わらない
- セキュリティ面もさらに向上(エントランス、エレベーター、玄関と3重ロックが普及)

これらの年代のマンションはすでに完成形に近いので、築年数が経っても現在の築40年くらいの物件と同様の下がり方はしないと思います。
3.管理を見て買え!管理組合の動きと管理評価制度
マンションの価値は、年月とともに管理の差が明確に現れます。
築浅でも管理がされていないマンションは20年も経てば顕著にその差が表れてきます。

管理会社が入ってれば安心じゃないんですか?

全くそんなことはありません。
マンション管理の主体は”管理組合”
つまり住人の皆さんがブレーンとなるのです。
- 総会の出席割合
- 過去の総会の議題
- マンション全体の滞納者や滞納金額
- 長期修繕計画の作成状況や積立金の充(不)足状況
- 機械式駐車状況がある場合の利用状況など
こういった内容をプロの観点から見てマンションの管理状況(管理組合の管理に対する姿勢)を把握することが大切です。
管理には3つの側面があると思っています。
見るべき内容 | 確認方法 | 良い管理の特徴 | 悪い管理の特徴 | |
---|---|---|---|---|
ハード面 | ||||
ソフト面 | ||||
財務面 |
特に財務面に関しては簿記や会計の知識が必要であり、そういった知識のない担当者にマンションの仲介をお願いしても管理状況を正しく判断してもらえないでしょう。

マンション管理って一口に言ってもこんなに分かれてるんですね。

そうです。
専門知識のある不動産エージェントにお願いしないと管理がだめなマンションを仲介されかねないため管理を重視するエージェントにしっかり依頼するようにしましょう。
さらに、近年は「マンション管理適正評価制度」といったマンションの管理状況を見える化する仕組みも始まりました。

消費者の方が不動産の性能を横並びで比較できる住宅性能表示制度と似ていて、管理状況を各分野別にスコア制で表示する制度です。
確実に管理を見て買う時代が近づいているのが分かります。


名古屋市では現在394件の物件がこの制度を使っています。(2025年7月24日現在)
いずれSUUMOなど物件情報サイトにも掲載されるなどしたらより顕著に資産価値に反映されることになるでしょうね。
4.ランドマークマンション・大規模マンション
街の象徴的存在であるランドマークマンションや、戸数が多い大規模マンション(目安:200戸以上)は、以下のようなメリットがあります。
- 規模の経済が働く(管理費・修繕費が割安)
- 共用施設が充実している(ゲストルーム、ジム、キッズルームなど)
- 資産価値が落ちにくい(“ブランド化”しやすい)
- 長期修繕・管理がしっかりしている傾向
ランドマークマンションは特にそのエリアNo.1マンションであることが多いので、入居者の新陳代謝が起こりやすく、管理組合も高齢化しにくく、運営がしっかりしていることが多いです。
またいつでもどこかしらの部屋が売りに出ているため取引事例が豊富で、ボラティリティ(成約価格のブレ具合)が小さく、資産価値が維持しやすいです。


名古屋No.1マンション(ランドマーク)はやっぱりグランドメゾン御園座タワーでしょうね。
御園座という歴史のある施設の上に立つタワマンという正しく”温故知新”に尽きる唯一無二の存在だと思います。
5.希少性のある間取り・部屋タイプを狙え!
同じマンションの中でも、間取りや部屋のポジションによって価値は大きく変わります。
特に以下のような希少性の高い部屋は、将来の売却時にも有利です
- ワイドスパンの間取り(バルコニー側の間口が7~8m以上の間取り)
- 角部屋(採光・通風◎)
- 専用駐車場付き住戸(庭からアクセスできたりする戸建て感覚の駐車場)
- 眺望の良い高層階・抜け感のある方角
どれもマンションの中で数に限りがあり、資産性や満足度に直結する要素です。
例えばワイドスパンの間取りというのは以下のような間取りのことを言います。

バルコニー側が9.25mありたくさんの採光が取れる間取りです。当然間口を狭めたほうがたくさんの戸数を作れますので最近の新築マンションはほとんどがナロースパン(5~6m)です。採光が取りづらいうえに奥行きが長いので無駄に廊下が長い間取りが多いです。


一般的にはこんな形が多いですよね。

そうですね。
それとこの間取りの柱に注目してください。
居住空間に柱が入り込んでおらず、どの居室の四隅がしっかり角が作れているのが分かると思います。
これをアウトフレーム工法って言うんですが、資産価値に直接影響はしませんがこれも家具とか置きやすいので私的にポイント高いです。
大体は廊下側の居室はインナーフレームでリビング側だけアウトフレームになってることが多いんですが、例に出したこの物件はかなり贅沢な造りだと言えますね。
またマンションは眺望が大事な方が多いので基本的に高層であればあるほど人気は高いですが、1階のマンションでも庭と駐車場が一体化しているマンションは人気が根強く資産価値が維持しやすいと言えます。
機械式の駐車場は待ち時間が長かったりしますし、平置きでも駐車場番号が割り振られてて駐車場とエントランスが離れてるマンションだとそこまで魅力に感じませんからね。一戸建てのような庭や駐車場が他のマンションとの差別化になると言えます。

こういう専用駐車場よりも

こういう専用駐車場の方が利便性がぐっと高いことが分かると思います。
5.おわりに
マンション選びは一見すると難しそうに見えますが、ポイントを押さえておけば将来の資産価値も住み心地も大きく変わります。「新築だから安心」「築年数が浅いほうが得」といった表面的な条件ではなく、構造・仕様・立地・管理・間取りなど、本質的な価値を見極めて検討してみてください。
もし具体的な物件で迷われている方がいらっしゃいましたら、個別のアドバイスも可能です。お気軽にご相談ください。
迷ったら信頼できる不動産エージェントに相談するのも一つの手です。
物件情報の“質”より、“判断力”を支えてくれるパートナー探しを

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